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オゾン用語集 -殺菌・食品

私たちの日常生活の周辺には、数多くの細菌や真菌、ウイルスが存在し、感染症、腐敗、食中毒等の疾患や健康状態への悪影響、体調不良の原因となっています。
中でも有名なものが、依然として感染症例が相次いでいる新型コロナウイルスです。

細菌の種類

細菌には、グラム陰性菌と分類される大腸菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ菌など、グラム陽性菌と分類されるブドウ球菌、レンサ球菌、炭疽菌、破傷風菌など、食中毒の主要な原因となる芽胞菌といった多種の細菌が自然界に存在し、ヒトや動物に感染します。

殺菌方法

オゾンは酸化能力により、細菌やウイルスを殺菌・不活化する効果があります。このためオゾンは、医療、介護、衛生、清掃、環境分野や食品、飲料水、上下水道分野において活用されています。

また、食品を殺菌する手段として、オゾンを活用した非加熱殺菌や、昆虫等の異物混入防止の手段として昆虫忌避の技術も導入されています。食品等事業はHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を行う必要があり、この対応にもオゾンが活用されています。

オゾンの効果の指標

オゾンによる殺菌、不活化効果は、オゾン濃度(ppm) ✕ 暴露時間(min)で大まかに算出でき、指標となっています。この指標は、濃度(Concentration)と時間(Time)の頭文字をとり、CT値と呼ばれます。殺菌/不活化に必要なCT値は、それぞれの菌種/ウイルス種により異なります。このため、用途毎に適切なCT値を選択する必要があります。さらに、人がいる空間では作業環境許容濃度を遵守しながらオゾンを発生させる必要もあります。

 

四国水族館 様

水族館の展示用水槽の殺菌および脱色用途にオゾンガスを活用

水処理 除菌 脱臭 脱色

除菌┃脱臭┃水処理┃脱色┃生物

株式会社トキタ 様

フグ陸上養殖の殺菌脱臭脱色用にオゾンを使ったら養殖特有の臭みがなくなりました

食品工場 水処理 除菌 脱臭 脱色

除菌┃脱臭┃除菌脱臭┃脱色┃養殖┃生物

株式会社グリーンケミー 様

5年間保存可能な常備用飲料水の最終除菌はオゾンで

飲料工場

除菌┃水処理

株式会社WAMS 様

HACCP対応ボトルドウォーターの殺菌にオゾン

除菌 飲料工場

除菌┃除菌脱臭

株式会社沖環境テクノロジー 様

大型倉庫のイモの脱臭、除菌にオゾン発生器が活躍

倉庫

除菌┃脱臭┃衛生管理

株式会社朽木渓流魚センター 様

生け簀の魚の脱臭に空気と一緒にオゾンを

養殖業 釣り堀

脱臭┃水処理┃養殖┃生物

有限会社ファイングループ 様

オゾン水生成装置を水道管の除菌と汚れ落としに活用

配管業 水道

オゾン水┃配管洗浄

有限会社佐々木農園 様

漬物工場で地下水と野菜の除菌にオゾン発生器を活用

食品工場

除菌┃食品工場┃オゾン水┃水処理

有限会社大館ファーム 様

食中毒防止。オゾンで卵工場のサルモネラ菌の除去を

食品工場

除菌┃脱臭┃食品工場┃衛生管理

早川しょうゆみそ株式会社 様

味噌のクリーンルームで除菌と害虫忌避にオゾン発生器

食品工場

除菌┃食品工場┃衛生管理┃害虫対策

有限会社魚波商店 様

食品工場の除菌、脱臭にオゾン水とオゾンガスを活用

食品工場

除菌┃脱臭┃食品工場┃衛生管理┃器具洗浄┃オゾン水

株式会社シーマック 様

マグロの大腸菌群洗浄にオゾンマイクロバブル水を活用

食品工場

鮮度保持┃薬液代替┃除菌┃脱臭┃食品工場┃オゾン水

耳鼻咽頭科野崎医院 様

ネットの海外製は耐久性やオゾン発生量が心配で、国産品を探していました。

除菌

除菌

江副クリニック 様

どのように患者さんに接したら気持ちよく感じてもらえるかを常に考えています

脱臭 部屋

脱臭┃除菌脱臭

サン印向山食品工業株式会社 様

食品工場で害虫忌避にオゾン発生器。虫類が殆ど消えた

食品工場

除菌┃脱臭┃食品工場┃害虫対策

 

HACCP

「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、「危害要因分析重要管理点」と訳されます。
食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握した上で、製品の安全性を確保するための手法となります。

具体的には、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、危害要因を把握し、それを除去又は低減させるため工程を用意、管理するというものです。

 

作業環境許容濃度(オゾンの場合)

オゾンには、人体に対する有毒性がありますため、許容濃度が定められています。日本産業衛生学会にて作業環境許容濃度を定めています。

ここでの作業環境とは、労働者が1日8時間、1週間40時間程度、肉体的に激しくない労働強度となります。また、暴露濃度は、上記環境中での平均曝露濃度がこの数値以下となることを基準にしています。この作業環境許容濃度以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断されております。

日本産業衛生学会では作業環境基準としてのオゾン許容濃度を0.1ppm(0.2 mg/m³)と定めています。

 

CT値(除菌能力)

「Concentration-Time Value」の略で、オゾンなどの物質が菌やウイルスを不活化する(増殖できなくする)力を表すときの評価指標で、オゾン濃度(ppm)と曝露時間(min)の積から算出されます。この値が大きいほどオゾンと空気中の物質の接触量が多い事を示し、消臭・除菌効果も大きくなります。

オゾン発生器を使う際は、効果が十分得られるようにCT値に基づいて運転時間を定めることが大切です。

 

非加熱殺菌

食品等の材料の温度変化を伴わない殺菌となります。一般的な殺菌は加熱を伴いますため、対象となる食材や、素材が熱により変質することがあります。

これに対し、非加熱殺菌は加熱を伴いませんので、影響が少なくなります。非加熱殺菌には、紫外線、放射線、パルス状マイクロ波、超高圧、薬剤殺菌等があります。

オゾンも非加熱殺菌を行うことができ、殺菌効果を得た後に、残留物が残りにくいという利点があります。

 

コロナウイルス

由来としては、形態が王冠「crown」に似ていることから、ギリシャ語で王冠を意味する「corona」という名前が付けられました。

電子顕微鏡で観察されるコロナウイルスは、直径約100nmの球形で、表面には突起が見られます。ウイルス学的には、ニドウイルス目・コロナウイルス亜科・コロナウイルス科と分類され、遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)です。殻の外側に膜を持つエンベロープウイルスに分類されます。

 

エンベロープウイルス

殻の外側に膜(エンベロープ)を持っているウイルスの総称です。コロナウイルスや、インフルエンザウイルス等、多くのウイルスがエンベロープウイルスに属します。この膜は、動物の細胞と同じ脂質二重膜でできており、ウイルスの感染能力にも関わっています。消毒剤に対する抵抗性は後述のノンエンベロープウイルスよりも弱く、オゾンへの抵抗性も低いです。

 

ノンエンベロープウイルス

殻の外側に膜(エンベロープ)を「持たない」ウイルスの総称です。ノロウイルスや、アデノウイルスがノンエンベロープウイルスに属します。消毒剤に対して高い抵抗性を持っているものが多く、アルコールも効きにくいです。

オゾンに対しても比較的高い耐性を持っておりますため、不活化に必要なオゾン量は、エンベロープより多くなります。

 

グラム陰性菌

デンマークの学者ハンス・グラムによって考案されたグラム染色により、赤色あるいは桃色に染色される細菌の総称です。細胞膜を覆うペプチドグリカン層が薄く、比較的オゾンへの耐性が低い場合が多いです。

大腸菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ菌などが該当します。メタン菌に代表される古細菌もグラム染色陰性ですが、他の細菌類とは全く異なる性質を持ちます。

 

グラム陽性菌

デンマークの学者ハンス・グラムによって考案されたグラム染色により、紺青色あるいは紫色に染色される細菌の総称です。外膜を持たず、厚いペプチドグリカン層が存在するという特徴があります。比較的オゾンへの耐性が高い場合が多いです。特に芽胞菌類はオゾンや他の殺菌法に対する高い耐性を持ちます。

ブドウ球菌、レンサ球菌、炭疽菌、セレウス菌、ボツリヌス菌、ウィルシュ菌、破傷風菌、乳酸桿菌などが該当します。

 

芽胞菌

芽胞とは植物でいう「種子」に相当する菌の形態です。堅い殻を持ち、加熱・乾燥・紫外線・化学薬品などに対し強い耐性を示します。この芽胞を形成することで厳しい環境に耐えうるのが「芽胞形成菌(芽胞菌)」という細菌です。

芽胞形成菌は自然界に広く分布し、洗浄・調理・加熱殺菌などの工程を経て食品を製造しても、食品の変敗や食中毒の原因となることがあります。オゾンに対しても高い耐性を持っており、滅菌効果の指標にもなっています。

 

昆虫忌避

害虫の侵入や摂食、産卵などの行動を制御し、被害を防ぐ方法を忌避法といいます。

生物がある種の化学物質に対して方向性の反応を示すことを走化性と呼びますが、刺激物質や匂いから遠ざかろうとするのが負の走化性(忌避)です。これを利用して害虫を防除する薬剤が昆虫忌避剤です。一例としては、ハーブや、虫よけ剤による飛来の防止や、吸血防止があります。

オゾンによる昆虫忌避は、昆虫の出すフェロモンを酸化分解することで行います。一部の昆虫は、フェロモンを出すことで周りの仲間を集める習性があります。オゾンによってこのフェロモンを分解することで、昆虫が集まることを防止できます。

 

参考文献について

参考文献については下記ページをご参照ください。おすすめの書籍としてご紹介しております。

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